漆のミャクミャク

奈良の老舗、中川政七商店が、大阪・関西万博公式キャラクター・ミャクミャクとのコラボレーション商品を発売いたします。作り手は漆琳堂が担当。
漆のミャクミャクには、多彩な漆の加飾技法をふんだんに用いています。青目、白目と口、細胞、胴体のそれぞれを異なる技法で表現。見た目だけでなく、「ざらざら、つるり、しっとり」と、触れた感触さえも楽しんでいただける質感になっています。
青目には「螺鈿」の技法を用いました。曲面に貼り付けるため、貝殻を細かく砕く必要があります。1〜2mm程度の貝殻片の青く光る部分だけを選別して漆で接着。
白目や口の「卵殻貼り」も同様に、うずらの卵を細かく割って貼り付けました。貼った後は、漆を塗り重ねて定着させ、螺鈿や卵殻に艶がでてくるまで研ぎ出しています。
胴体は「変わり塗り」で仕上げました。ミャクミャクの青色を再現するのに、乾漆粉(硬化した漆を粉末状にしたもの)を蒔き、漆を塗った上に金粉を散らしています。粉を蒔き分けることで、見る角度でキラキラ輝く、水面のような表現をしています。
赤色の細胞は、越前漆器の真髄「真塗り」で仕上げています。漆は塗膜の厚みにムラがあると硬化不良を起こしてしまいます。細胞の複雑な形状も、一定の塗り厚になるように気を使いながら塗り上げました。漆ならではの、ふっくらとして艶やかな塗膜は、ミャクミャクの生命力を感じさせます。
漆の塗料としての役割と、接着材としての役割。そして、長い歴史の中で生まれて、継承されてきた技の数々。
漆のミャクミャクは、現代の職人に蓄積された技術と、精神力によって命が吹き込まれました。
ミャクミャクが、脈々と受け継がれてきた日本の工芸と出会い生まれた品々に、どうぞご期待ください。
■販売情報
発 売 日:2025年4月13日(日)
取扱店舗:
【万博会場内】2025大阪・関西万博 会場内オフィシャルストア 西ゲート店 KINTETSU(完売いたしました)
【万博会場外】中川政七商店 オンラインショップ(抽選受付期間 4月13日10:00~5月7日9:59)
©Expo 2025
2025大阪・関西万博公式ライセンス商品
提供:中川政七商店
https://www.nakagawa-masashichi.jp/shop/e/ev0672/
インタビュー記事
https://story.nakagawa-masashichi.jp/280355